PART1─6“新着メール1件アリ”
ケータイを開くと、そこにはあいつの名前が表示されていた。
「おまえこの花好きだったよな」
画面いっぱいの向日葵の写真がすぐに目に飛び込んできた。
たった一言だったけれど、私には涙が出る程嬉しかった。
あいつ憶えてたんだ…。
まだ付き合う前だった。
正確には──まだ好き合う前だった。
あいつは友達の友達で、何かの集まりで偶然一緒になったことがあった。
正直その時までは── 一目惚れ ──なんて信じていなかった。
全然好みのタイプではなかったけれど、気がつけばあいつを追っていた。
あいつだけを追っていた。
特別優しい言葉をかけられたわけでも、優しくされたわけでもなかったのに…。
そこに咲いていた花が「向日葵」だった。
だから私は向日葵が好きになった。
向日葵があれば、あの時の事が“夢”ではなかったと思えるから。
向日葵があれば、あいつへの“想い”が確かだと思えるから。
蒼い月さんで配布されている100題の写真詩集です。
写真に自由に言葉を紡いでいくというものです。
何か感じたものがあれば、コメントお待ちしております。
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