PART1─8ケータイの電池の蓋の裏には、二人で撮ったプリクラが貼ってある。
2回目のデートの時に行った遊園地でのプリクラ。
この歳になってプリクラ、恥ずかしくね?
なんてあいつは嫌がってたけど、こうやって電池の蓋の裏にプリクラを貼るの夢だったから、宝物だった。
たった1枚だったけど、最高の宝物だった。
たまたまだけど、券が手に入ったんだ。
一緒に行くか?
テーブルに差し出された2枚のチケット。
あいつは照れ隠しの為か、私の顔は見ていなかった。
だけど指先が少し震えていたので、それが精一杯だと分かった。
それが不覚にも嬉しく思えた。
ありがとう!
じゃあ今度の日曜なんてどう?
私はしゅわっとはじけた炭酸のように心が躍るのが分かった。
ねぇ、あの時の事憶えてる?
ねぇ、あの時の事思い出してくれてる?
どこにでもあるプリクラだけど、私のはこの1枚が今でも宝物なの──。
蒼い月さんで配布されている100題の写真詩集です。
写真に自由に言葉を紡いでいくというものです。
何か感じたものがあれば、コメントお待ちしております。
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