PART1─14先輩のあんな表情を見たから?
────…。
不覚にも一瞬胸が高鳴ってしまった。
「なーんてな!」
そう言って先輩は笑って、
「冗談だよ!ちょっとからかってみたくなっただけ」
と付け足した。
「あ、もー、そーですよね!先輩ったら意地悪が過ぎますよー!あはははは」
私はそうやって返すのが精一杯で、それから先輩と何を話したのか、一つも思い出せなかった。
私はカップに注がれたコーヒーをゆっくりと飲みながら、先輩ではなく“あいつ”のことを考えていた。
蒼い月さんで配布されている100題の写真詩集です。
写真に自由に言葉を紡いでいくというものです。
何か感じたものがあれば、コメントお待ちしております。
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