PART1─17楽しい時間はあっという間に過ぎる。
1時間が1分に感じられたし、1分が1秒にも感じられた。
「面白かったねー」
「あぁ」
「観て良かったぁ!」
映画を1本見終わる頃には売店で買ったポップコーンも底を見せ始めていた。
「しかし意外だったなァ」
「ん?」
頭1つ分の差はあろうかと思われるあいつの顔を瞳を覗き見る。
「いやァ、あそこであの展開は予想外だった」
低くそして柔らかい声が、優しく私へと向けられる。
「んー、でも最後はハッピーエンドだった!」
私は明るいトーンで返す。
「あはは!おまえはハッピーエンドが好きだよな」
また心地良い柔らかい声が帰ってくる。
確実に時間は流れているのに、それを感じさせないこの雰囲気が最高に好きだと思った。
この雰囲気を作れるのはあいつしかいないと思った。
蒼い月さんで配布されている100題の写真詩集です。
写真に自由に言葉を紡いでいくというものです。
何か感じたものがあれば、コメントお待ちしております。
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