PART1─19今の私には「止まれ」よりも「進め」が似合っていると思った。
「寄り道」よりも、二人で一緒に「歩く」のが自然だと思えた。
「…ありがとう…」
涙を拭いながら精一杯伝えた。
「今までずっと不安だった…。私だけが…まだ片想いなのかなって…」
「そんなことないよ」
「でも正直な気持ち聞けて良かった…。嬉しい…」
「うん」
大きな手のひらでポンと軽く撫ぜられながら、幸せ一杯の気持ちに包まれた。
「ごめん、な?だから泣くな」
「…うん」
ありがとう、ありがとう、ありがとう。
何度も何度も心の中でそう叫んでいた。
あまりにも私の顔がぐしゃぐしゃだったから、あいつが吹いちゃって、それにつられたかのように私も笑った。
何だかあいつの顔を見るのが照れくさかった。
私は化粧直しをし終えると、そのカフェをあいつと手を繋いで後にした。
蒼い月さんで配布されている100題の写真詩集です。
写真に自由に言葉を紡いでいくというものです。
何か感じたものがあれば、コメントお待ちしております。
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