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hiro's Wondrous World.~自己満足ブログ~
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    100のお題015



    PART1─15

    記念日はすぐにやってきた。
    記念日は正直あまり作りたくなかったし、もし作ってもそれを続けていく気もなかった。
    相手を縛り付けているように感じたし、ただの自己満足とさえも思えたから。
    だけどあいつと出会って、そういった考えが愚かに思えた。

    女の子は「特別」が好きだし、それを「記念」とするのは悪いことではない。

    この記念日は私があいつに恋に落ちた瞬間に作られた。

    だからあいつが記念日のことをしるわけでもないし、それを祝うということもなかった。

    その記念日は毎月やってきた。
    小さな花を2・3本デスクに置いてみる。

    豪華さには欠けるけど、不思議と落ち着いた。
    明日がどうなるのか誰にも分からない。
    だけど、明日もきっと、私はあいつが好きで、あいつに恋をしていることは分かった。

    ただそれだけだけど、私には大切な記念日になった。



    蒼い月
    蒼い月さんで配布されている100題の写真詩集です。
    写真に自由に言葉を紡いでいくというものです。
    何か感じたものがあれば、コメントお待ちしております。

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    100のお題014



    PART1─14

    先輩のあんな表情を見たから?
    ────…。

    不覚にも一瞬胸が高鳴ってしまった。

    「なーんてな!」

    そう言って先輩は笑って、
    「冗談だよ!ちょっとからかってみたくなっただけ」
    と付け足した。

    「あ、もー、そーですよね!先輩ったら意地悪が過ぎますよー!あはははは」

    私はそうやって返すのが精一杯で、それから先輩と何を話したのか、一つも思い出せなかった。

    私はカップに注がれたコーヒーをゆっくりと飲みながら、先輩ではなく“あいつ”のことを考えていた。


    蒼い月
    蒼い月さんで配布されている100題の写真詩集です。
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    100のお題013



    PART1─13

    「お疲れ様!」

    肩をポンと叩かれた。
    と同時に、隣には会社の先輩が立っていた。

    「なんだか最近疲れてるねぇ…?」
    「え?」
    「ずっと浮かない顔してるから、さ」

    一瞬私の中で何かが脈打った。

    「あ、いえ、そんなことないです!ごめんなさい!」
    「そ?ならいーけど!」

    もしかして私のこと心配して…?

    「でも何かあったら言えよ?そんな顔見るの俺は楽しくないからな」
    「はい!ありがとうございます!でもそんな言い方したら先輩誤解されちゃいますよ?笑」

    先輩って優しいんだなぁ。
    会社の後輩ってだけでこんなに心配してくれて…。

    「誤解ならされても構わないんだけどなー」

    ───え?
    いま、なんて…?

    私はその意味を知ろうと、必死で先輩の顔を見続けた。



    蒼い月
    蒼い月さんで配布されている100題の写真詩集です。
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    100のお題012



    PART1─12

    たとえば、メール。

    気軽に送れて電話をかけるよりも早かったりする。
    今となってはもうなくてはならないツール。

    便利になった。
    だけどその便利さがいつしか恐怖へと変貌する。
    一瞬相手と繋がったように錯覚をし、いつまでも見えない糸を手繰り寄せ続ける。

    その錯覚が心地良いのかもしれない。

    思えばあいつと出会った時もそうだった。
    いつでも会える環境ではなかったせいか、私はメール魔と化していた。
    あいつ専用のフォルダを作り、あいつ専用の着信音を設定し、あいつ専用の絵文字を使う。

    私は用事がなくても何度も送った。
    だけどあいつは何通かに一度返す程度だった。

    それは愛情が足りないからだ、という人もいるかもしれない。
    だけど私はメール不精なあいつの性格を知っていたし、理解もしていたからそれでも構わないと思った。

    今ではそれが寂しいなんて、少しでも繋がっていたいと思うなんて、やっぱりそれは私の我侭ですか──?



    蒼い月
    蒼い月さんで配布されている100題の写真詩集です。
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    100のお題011



    PART1─11

    仕事をしていれば忙しさに追われて余計なことは考えずに済んだ。
    大して都会ではなかったけれどこの街も時間の流れに乗っていた。

    忙しいとはいえ小さな会社の雑務担当で名ばかりの事務員なのだけど──。

    電話の取次ぎ、来客応対、資料作成、伝票整理、コピー取り、やることはたくさんあった。
    たくさんあったけれど、どれに手を出しても気持ちは中途半端なままだった。

    仕事と恋愛の両立──。
    簡単かもしれない、けど、難しいのかもしれない。
    社内に限らず恋愛をしている人はたくさんいるし、私もまたその中の一人なのだから…。

    同じ時間を過ごしているのに、違う空間に居る。

    やはり私は「恋愛」というものにただ「恋」をしているだけなのかもしれない。



    蒼い月
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    100のお題010



    PART1─10

    『私はどっちを向いて歩いて行けばいいのかな』

    たまに自分が進む方向が分からなくなる時がある。
    それでも朝は必ずやってくるし、時計の針も1秒また1秒と進んでいく。

    信号が赤になれば止まるし、青になれば進む。
    だけど私の心はそうとは限らなかった。

    たった一本電話があれば嬉しくもなるし、ベルが鳴らなければ悲しくもなる。

    この道端の草のように、たまには立ち止まってもいいんじゃないか。
    なんて考えることもある。
    けれど、一旦立ち止まってしまうと、何もかもが崩れていきそうで怖くてたまらなくなる…。

    寄り道──。

    をしているのかもしれない。
    そう思うと少しは気分が軽くなる。

    でもたった一つ真実があるとすれば、それはこの草のように上を向いて歩いていくことなんだ。
    回り道をしても、上を向いていればまた陽が上る。
    それを目指して私は今日も“同じこと”を思っているのかもしれない──。




    蒼い月
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